戸田奈津子氏を迎えて

GAiGO

2010年08月24日 11:46

8月22日(日)、鹿児島市国際交流課内の鹿児島市国際交流市民の会(KICS)設立20周年記念イベントが鹿児島市のサンエールで開催されました。


KICS理事で、今回のイベントの企画部長を務めたGAiGO手嶋学長による発案で、手嶋学長日本語「開幕宣言」を皮切りに、各国の留学生がそれぞれの国の言葉で開幕を宣言。最後は鹿児島弁による「開幕宣言」をすると、会場からは笑い声とともに拍手喝采が沸きました


また、「開幕宣言」をした一団が、このあと演奏した小学生バンドのリトルチェリーズによるおはら節の演奏に合わせて、手を振りながら舞台から退場すると、会場からはまたもや笑い声拍手喝采が沸きました



手嶋学長による「開幕宣言」でスタート

リトルチェリーズによるおはら節の演奏に合わせて退場






「開幕宣言」後、鹿児島発小学生によるジャズバンドとしていまや世界を股に掛ける存在のリトルチェリーズ(今年からは全年代を対象としたNPOとして活動中)の演奏で会場のムードは急上昇


リトルチェリーズによるジャズの演奏






そしていよいよ、今回のイベントの目玉企画である特別講演会へ。


ゲストにはなんと、著名な映画字幕翻訳家で、トム・クルーズジョニー・デップなど数々のハリウッド・スター通訳を務めることでも有名な戸田奈津子氏を迎え、「字幕の中に人生」というタイトルで講演していただきました。滞在中は、手嶋学長を始めとしたGAiGOのスタッフが空港やホテルへの送迎などのお世話をさせていただきました。






戸田奈津子氏の講演会「字幕の中に人生」(左は手話通訳)






映画館通いをしていた大学時代のお話から、まさに「門(入り口)がない」という字幕翻訳家としてデビューするまでに20年かかったこと、ひょんなことからハリウッド・スター通訳をすることになったこと、そして、スターの秘話に至るまで、予定を20分近くオーバーしてたっぷりと話してくださいました。



ハリウッド・スター通訳をするきっかけについては、当時、ハリウッド・スターが来日した際に周囲に通訳がおらず、「字幕翻訳をやっているのだからできるだろう」というだけの理由で無理やりやらされたものの、それまで海外旅行はおろか、外国人とも一度も話したことがなかったという戸田さんは、「非常につたない英語」で、しかもハリウッド・スター通訳という大舞台で「惨めなデビュー」を飾ることになりました。



これでもう通訳の話は来ないだろうと高をくくっていると、次々と通訳の依頼が



そこで気づいたのは、通訳というのは、英語力はもちろんですが、むしろ背景の知識、そして人間としての魅力が大切であるということでした。戸田さんの場合、英語の基礎があったことはもちろん、映画の知識が豊富にあったことが現在の映画人の通訳者としての地位を築いたきっかけだったのです。このことは、GAiGOでも常日頃教えていることです。






ハリウッド・スターの秘話を披露する戸田奈津子氏






また、スターの話の中では、トム・クルーズ制作からマーケティングに至る全てにかかわる人で、映画の中でもトム・クルーズというスターであるのに対し、ジョニー・デップはあくまでも演技にしか興味がなく、作品ごとに違う人物を演じ分けるアクターであると表現されました。



このような厳しい世界でトップを走り続ける彼らが無尽蔵のエネルギーの持ち主であることを強調されましたが、野球界の大スターであるイチローの話を例に挙げ、彼らのエネルギーの源は自分の仕事が「大好き」であることであり、夢に向かって努力し続けることの大切さを説きました。



最後に、時間の関係で事前に質問状を出していた1名の方が代表して質問しました。
「人とコミュニケーションをとる上で気をつけていること」という質問に対しては、ロバート・デニーロの例を挙げ、周囲は脅すように「気難しい」といっていたが、実際には非常にジェントルマンであり、誰と接するときでも先入観を持つことなく同じように接することが大切であると説きました。逆に、立場が変わると態度が変わる人間大っ嫌いだとも強調されていました






戸田奈津子さんを挟んで手嶋学長(右)とGAiGO講師Ayumi先生
今回の滞在中のお世話をさせていただきました。





この後、昼食時間を挟んで午後の分科会へと移りました。。。(続く)

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