O・MO・TE・NA・SHI おもてなし
「7日に行われた五輪開催都市争いの最終プレゼンテーションに登場したフリーアナウンサーの滝川クリステルさんに仕事の依頼が殺到していることが分かった」と報道されています。
IOC総会最終プレゼンテーションの時、流暢なフランス語で、日本の「おもてなし」の心をアピールした彼女の姿とその説得力はとても印象的でした。開催地を決定するIOC委員だけでなく、世界のTV視聴者の心をもとらえたようです。
何と、鹿児島外語学院では、もう何年も前から授業に茶道を取り入れ、日本に伝わる「おもてなしの心」を学んでいます。そして、学生たちは、ホテルや外資系企業のみならず様々な会社への就職に、語学は勿論、「おもてなし」を学んだことを付加価値として成功しています。
「おもてなし」とは、相手の立場になって心温まる対応をすることであって、自らも幸せになれるという相互作用があり、日本人にしかできない気遣いの習慣です。
そして「もてなしの心」を伝える伝統文化こそが茶道なのです。
茶道は、鎌倉時代、栄西(えいさい)が宗から臨済禅とともに伝えた抹茶法に始まり、武野紹鴎(たけのじょうおう)によって単に遊興や儀礼・作法でしかなかった茶の湯が、わびという精神を持った「道」に昇華され、千利休によって安土桃山時代に完成されました。
現在、茶道は、特定の人々が学ぶものと思われがちですが、日常の生活の中で、人が人を大切にすること、自然との共存、生きる目的や考え方、幅広い知識や感性をみがく、総合芸術とも言えます。「一期一会」という言葉に表されるように、その場に会した人たちが、二度とないない機会として一瞬一瞬を大切にし、他を敬い思いやる。今こそ気づきたい日本の心です。
学生たちでプロデュースした「浴衣の茶会」や「初釜」では、そこに集う人々が最高の時間をすごせるようあらゆる工夫をし、思いやりにあふれた空間になりました。
お料理も手作り!
「おもてなし」は、今年の流行語大賞になりそう!
文:島田暁美 先生(茶道・比較文化クラス講師)